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新SF小説

 投稿者:UBEL  投稿日:2008年11月26日(水)20時36分19秒
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    ゲットーの見張り塔からずっと


                   John  Ubel


 第一章
    大金を渡す初老の女

 Westhillock家の連中は、Villageの旧家の娘が駆け落ち同然で、工場労働者と結婚し、
街の小さな借家街で暮らしていた。子供達、男三人兄弟が、皆工業高校生となり、アパ
ートは手狭になっていた。Westhillockは実家の畑に家を建てようとしたが、なかなかロ
ーンが組めなかった。そんな時、Westhillockのもうすぐ工業高校を卒業し、近鉄への入
社が決まった長男の前に、或る初老の女が大きなスーツケースを持って、現れた。その
初老の女は、住宅地の公文塾を経営していた。スーツケースの中身には、一億円の札束
がぎっしり詰まっていた。
 「あなたがた、お金が欲しいんでしょう?」
初老の女は、不気味にWesthillockに話しかけた。
 「私たちがやっている或る人権抑圧に加担しない?....」
 「私たちの仲間になるんだったら、このお金あげるわよ。」
その公文塾の経営者である女は、ライヴァルの算盤塾の先生の轢き逃げ示唆も当然のよ
うにやる非情な女だった。


 第二章
    豪邸ー見張り塔

 Westhillockが公文塾経営者、大木から渡された一億円は、ヨハンの子供漫画原作者と
しての著作権料を、大木達が横領し続けてきた五億円の一部だった。Westhillockは一億
円を頭金で払い、二億円の豪邸を、ヨハンの家のヨハンの自室スタジオを見下ろす位置
に建てた。それは、ゲットーの見張り塔だった。そして、Westhillockが大木から一億円
渡される代わりに、仰せつかった仕事は、ヨハンの監視と、その通告だった。


 第三章
    Westhillock  Love  Hotel


 ヨハンのロックバンドは、大阪で成功しつつあるバンドだった。海外での評価も高か
った。Westhillock達は、ヨハンのバンドが近隣に居ると、女達を呼び、ヨハン目当てに
来る女達を次々に豪邸に誘い、レイプしていった。次々と、入れ替わり立ち代わり来る
女達の総数は五百三十三人だった。女達の喘ぎ声と黄色い声がいつもVillageの山丘の
Westhillock Love Hotelに響いた。そして、その異常な性欲の雰囲気の中で居たたまれな
くなったヨハンが、ADVDで自慰行為する度に、Westhillock達は、大声で笑った。ヨハ
ンの自室スタジオでの練習目当てに来る女達は多かった。そしてヨハンの自室での練習
は、すべてWesthillock家に来る女達の格好の娯楽となった。
 女達は次々と、足下と呼ばれる、特殊地域の古い慣習を、自分達で申し出、
Westhillock家に、嫁入り見習いなのか、女中奉公なのか、専属売春婦なのか、良くわか
らない、女性人権活動家が廃止させた制度を、女達自ら、自分の人権を貶め、まるで猫
のように、住み着き、そしてその足下の女達はコロコロと変わって行った。全て、ヨハ
ンの弾く楽器の音楽が目当てだった。Westhillock三兄弟は、ヨハンを餌に、次々と女達
を豪邸に誘い込み、そして、LOVE HOTEL化したWesthillock家の見下ろす、ヨハンの自
室スタジオで、演奏される楽器は、まるで私娼窟の芸者の置屋の三味線のようなものだ
った。


 第四章
    自己破産したWesthillock

 Westhillockの豪邸が、Villageに建って十年が経ち、彼らは無理に組んだあと一億円の
ローンを払えず破産した。Westhillock家に足下していた女達は全て去った。Westhillock
の連中はいつも、こんなことなら引っ越すのではなかったと泣いている。十年に渡るゲ
ットーの見張り塔は、事実上潰れた。
 
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